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ホーム > 新着情報 > 山形大学大学院理工学研究科博士後期課程2年生(当時1年生)の萩野穣さんが、国際深海科学掘削計画(IODP)第405次航海の乗船研究者に選ばれ、「ちきゅう」船上で2ヶ月間研究を行いました。
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ホーム > 新着情報 > 山形大学大学院理工学研究科博士後期課程2年生(当時1年生)の萩野穣さんが、国際深海科学掘削計画(IODP)第405次航海の乗船研究者に選ばれ、「ちきゅう」船上で2ヶ月間研究を行いました。
2025.08.22
研究ニュース
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、宮城県沖の日本海溝周辺を震源とする、マグニチュード(Mw)9.0の巨大地震であり、東北地方太平洋側を中心に日本列島各地に甚大な被害をもたらしました。この地震と、地震によって引き起こされた津波の発生メカニズム解明を目的として、震源域周辺では、2012年に統合国際深海掘削計画(IODP)第343次航海(JFAST)が行われ、プレート境界断層を含むサンプルおよび地層の物性データ・温度変化データが得られました。これらのサンプルおよびデータから、地震発生前に蓄えられていた応力(ひずみ)が地震発生時にほぼ全て解放され、大規模なプレート境界断層のすべりによって巨大地震と津波が引き起こされたことが明らかになりました。
地震発生から10年以上が経過した現在、震源域周辺の応力の蓄積状態はどうなっているのでしょうか。また、JFASTでは時間的制約から、プレート境界断層より上の部分のサンプルはほとんど採取されていないため、断層帯の構造の全貌は未だ明らかになっていません。これらの解明を目的として、昨年の2024年9月から12月にかけて、国際深海科学掘削計画(IODP)第405次航海(JTRACK)がJFASTと同じ海域(宮城県沖)で行われました。
断層帯の構造等を明らかにするうえで、地層が形成された年代を知ることはきわめて重要です。調査航海を行う掘削船は、陸上の研究施設と比べて設備が限られており、すばやく年代を知るために微化石による分析が行われます。今回掘削を行った海域では珪藻や放散虫*1が豊富に産出することが知られており、船上でこれら珪質微化石を分析し、年代を決定できる研究者が必要でした。
私は博士前期課程2年次に本航海の乗船研究者募集に応募し、選考を経て、Micropaleontologist(微古生物学者)として航海の後半に乗船することが決まりました。船上では放散虫化石を分析する役割を担い、得られた結果は、ほかの乗船研究者に共有し議論を行うとともに、報告書を執筆しました。
国内外の研究者と一緒に生活しながら、船上で研究することができ、非常に貴重で有意義な経験だったと感じています。今後は入手した試料を使って研究を進め、成果を公表していく予定です。
*1放散虫:浮遊性の原生動物のなかまで、海にのみ生息する。二酸化ケイ素(SiO2)の骨格をもつグループが微化石として残りやすい。

航海中、船内で行われた最後のサンプリングパーティー(個人の研究試料を採取する場)で撮った記念写真(手前右から2番目が萩野)(©JAMSTEC/IODP)