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ホーム > 新着情報 > (特集)科研費取得教員の声-博士前期課程1年の五十嵐さんが令和7年度化学系学協会東北大会にてポスター賞を受賞-(研究代表者:松井淳教授)
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ホーム > 新着情報 > (特集)科研費取得教員の声-博士前期課程1年の五十嵐さんが令和7年度化学系学協会東北大会にてポスター賞を受賞-(研究代表者:松井淳教授)
2025.11.06
研究ニュース
山形大学大学院理工学研究科博士前期課程1年の五十嵐淳平さん (松井・江部研究室所属/化学分野) が令和7年9月6日(土)~7日(日)に山形大学米沢キャンパスで開催された令和7年度化学系学協会東北大会にて、ポスター賞を受賞しました。
本研究では、リザバーコンピューティング(Reservoir Computing)の基盤となる物理材料として、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)に着目しました。SWCNTの配向超薄膜をLangmuir–Blodgett(LB)法*によって作製し、その電気特性の解析およびその計算処理能力の検証を行いました。
近年のAIの発展に伴い、処理速度の向上とともに消費電力の増大が課題となっています。その解決策として注目されているのが、リザバーコンピューティングと呼ばれる新しい演算処理システムです。リザバーコンピューティングは従来の方式に比べて効率的な情報処理が可能であり、消費電力の低減が期待されています。さらに、ソフトウェア上で行っていた処理を物理材料に置き換えることで、より高速かつ高効率な演算を実現できる可能性があります。本研究では、その基盤材料としてSWCNTに着目しました。
SWCNTは高い電気伝導性と優れた機械的特性を併せ持つナノ材料であり、多様なデバイス研究に利用されています。一方で、ナノスケールで凝集するといった、分散性の低さが課題とされてきました。そこで本研究では高分子材料を用いてSWCNT表面を物理的に修飾することで、その改善を試みました。さらに、LB法を用いることで、先行研究で課題となっていたデバイスの再現性やパターニング形成を実現しました。
今後は、電気特性のさらなる解析に加え、LB法による異なるパターン設計や、誘電特性の異なる高分子の導入を行い、より高性能なデバイスの開発を目指します。本研究で得られる知見は、AI技術の発展のみならず、省エネルギー化による持続可能な社会の実現にも貢献することが期待されます。
*Langmuir–Blodgett法:水面上に形成した単分子膜を基板へ転写することで、分子配列の制御された超薄膜を作製する手法

研究をサポートしてくれた実験装置と共に