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2025.12.10

研究ニュース

【論文掲載】江部日南子助教および松井淳教授らによる、ペロブスカイト三重項増感マトリックスを利用したピレン室温リン光に関する研究成果がACS Applied Materials & Interfacesに掲載されました。

 本研究では、ハロゲン化鉛ペロブスカイトナノ結晶 (PNC) ※1 を三重項増感剤 ※2として用いることで、有機色素ピレンの高効率室温リン光※3の実現に成功しました。通常、ピレンは三重項励起状態がほとんど形成されず、さらに非放射失活により室温・大気下でリン光を観測することは困難です。本研究で用いたPNCは、ピレンの三重項励起状態を効率よく形成することに加え、高密度な膜構造により非放射失活を効果的に抑制し、ピレン室温リン光を実現しました。本成果はピレンに限らず、他のさまざまな機能性有機分子にも応用可能であり、三重項-三重項消滅アップコンバージョンや光触媒用途など、多様な光利用技術への展開が期待されます。
 
 本研究は、JSPS科研費 (25K17833、23K13804、22K20525) および旭硝子財団研究助成 (Grant No. 2023-6)、セイコーインスツル新世代研究財団 (Grant No. RGR0402) の支援を受けて実施されました。また、JSPS 国際共同研究プログラム PIRE (JPJSJRP20221201) ならびに米国 National Science Foundation (Grant No. OISE-2230706) の支援を受けました。

※1 ハロゲン化鉛ペロブスカイトナノ結晶: ペロブスカイト構造 (APbX3, A: 一価のカチオン、Pb: 二価の鉛カチオン、X: 一価のハロゲンアニオン) を持つ半導体ナノ結晶
※2 三重項増感剤: 自身の三重項エネルギーを近接分子へと移動し、分子の三重項励起状態を形成することのできる材料
※2 リン光: 分子が三重項励起状態を経て、基底状態へゆっくり失活する過程で生じる長寿命の発光現象。

Title: Room-Temperature Phosphorescence of Pyrene Using Perovskite as a Triplet-Sensitizing Matrix and Oxygen Barrier
Author: Hinako Ebe*, Shusei Hattori, Mizuki Ohke, Junpei Igarashi, Aoi Hamatsu, Mai Anbe, Matthew L. Atteberry, Yitong Dong, Madalina Furis, Mamoru Kitaura, Jun Matsui*
DOI: https://doi.org/10.1021/acsami.5c17676

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