News

新着情報

ホーム > 新着情報 > ―身近な山々は太古の海底火山だった!?―山形県立山形南高等学校理数科地学班との高大連携活動成果が、日本地質学会発行「地質学雑誌」に掲載されました。(研究報告者:井村 匠)

2026.03.18

研究ニュース

―身近な山々は太古の海底火山だった!?―山形県立山形南高等学校理数科地学班との高大連携活動成果が、日本地質学会発行「地質学雑誌」に掲載されました。(研究報告者:井村 匠)

 山形市東部の馬見ヶ崎川中流域は、夏には水遊び、秋には芋煮会と、一年を通して賑わう主要な観光地です。本地域において、ランドマークとしてそびえたつ盃山、愛宕山およびその他山々の成因と形成時期を明らかにするため、山形県立山形南高等学校理数科地学班と3年にわたって共同研究を行いました。この度、その成果が日本地質学会発行の「地質学雑誌」に掲載されました。
 本研究により、上記の山々が約1200万年前(中期中新世)に形成した火成岩(火山岩・貫入岩)であり、当時の活発な海底火山活動によって誕生したことが判明しました。つまり、盃山、愛宕山やその近くの山々ははるか昔には海底火山だったのです。山形市を含む山形県のほぼ全域はかつて海底にあり、同時に活発な火山活動が生じていたと考えられてきましたが、その一部始終を検証するための地質学的・年代学的なデータは不足していました。今回の発見は、山形市近傍ひいては同時代の東北地方の地史を紐解く上で学術的に大きな意義を持つものです。
 本成果は学術界に新たな知見をもたらしただけでなく、高校生との協働によって地域の自然環境の魅力を再発見できたという点で、高大連携の大きな成功例となりました。さらに、本研究で得られた知見は、理学部地球科学コースカリキュラムの「地球科学野外演習Ⅰ」の実習ルートとして活用されており、本学学生が山形の生きた自然から直接学ぶための貴重な教育資源として還元されています。


井村 匠, 阿部貴洋, 山形南高等学校理数科地学班, 湯口貴史, 加々島慎一, 伴 雅雄, 岩田尚能,(2026)山形市東部盃山―愛宕山地域における中新統成沢層中の貫入・噴出岩体の岩相層序とK-Ar年代, 地質学雑誌 132(1) 25-40. https://doi.org/10.5575/geosoc.2025.0043

山形県立山形南高等学校理数科地学班(引率:阿部貴洋先生)との合同野外調査風景(撮影者:井村)

sdg_icon_04_ja_2.pngsdg_icon_09_ja_2.pngsdg_icon_11_ja_2.pngsdg_icon_15_ja_2.png