2022年10月24日(米国時間)、IXPE衛星によるX線パルサーHer X-1の観測結果がNature Astronomy誌に掲載されました。

 

Her X-1は強い磁場を持った中性子星であり、もう片方の星と連星系をなし公転しています。

また同時にHer X-1は自転もしていますが、その自転軸と磁軸がどの程度ずれているのか、

また自転軸と公転軸の関係はどうなっているのか詳しい事が分かりませんでした。

今回パルサーの自転周期及び公転周期に渡ってどのような偏光の変化があるかIXPEは

詳細に観測しました。その結果平均的には偏光度が8.5％程度と低く、偏光方向も

大きく変わっていない事が分かりました。以上の観測と以前から知られていた光学的な観測結果を考慮すると、パルサーの自転軸と磁軸が12度程度異なっており、また自転軸と公転軸は少なくとも20度はずれているという事が明らかになりました。

 

IXPE衛星はX線の偏光撮像が行える世界初のX線衛星で、米国とイタリアの主導する国際共同

プロジェクトであり、日本からも理化学研究所、山形大学、大阪大学、中央大学、名古屋大学、広島大学、東京理科大が参加しています。

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