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岩石学・地球化学

花崗岩の形成と地下深部領域の地質環境評価

大陸地殻の発達進化の解明と人類の大深度地下の活用への貢献
地球科学分野 湯口貴史 准教授

花崗(かこう)岩体は、地殻中に貫入したマグマが地表まで到達せずに、マグマ溜(だま)りとしてゆっくり冷え固まった岩石です。日本列島の地下には広く花崗岩が分布しています。
 私たちは、この花崗岩に着目し、形成プロセスの解明と花崗岩が分布する地下深部領域の地質環境評価という二つのテーマの研究を行っています。前者は地質・岩石学的研究として大陸地殻の発達進化の解明に寄与し、後者は応用地質学的研究として人類の大深度地下の活用に貢献するものです。

直近の研究では、岐阜県東濃地方の土岐花崗岩体中に産出するアパタイトという鉱物の年代測定を実施し、岩体内での三次元的な年代分布(約5200万~3700万年前)を明らかにしました。土岐花崗岩体は、白亜紀後期に東アジア大陸縁辺部に貫入したマグマ溜りです。この年代分布は土岐花崗岩分布地域の上昇史の解明をもたらしました。
 土岐花崗岩体の位置する東濃地域は、大陸縁辺部に位置した日本海拡大以前および西南日本弧に位置する日本海拡大以降も含め、0.16±0.04mm/年よりも大きな上昇を経験していないことを解明しました。

このような過去の現象を知ることは、現在の地質環境評価に有用というだけでなく、将来予測を行う上でも有効な知見になると考えています。

図1:花崗岩のボーリングコア試料

図2:土岐花崗岩体中のアパタイトフィッション・トラック年代の三次元的な分布。1Maは100万年前を示します。寒色領域が古い年代を示し、暖色領域が若い年代を示します。


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