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山形県立山形東高等学校の生徒さんから、物理学の探究実験に関する相談が寄せられました。きっかけは、最先端の宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブが撮影した星の写真でした。そこに見られる「回折スパイク」に興味を持った生徒さんは、なぜスパイクの長さが異なるのかという点に疑問を抱き、研究テーマとしました。
相談に応じた中森健之教授は、生徒さんが主体的に研究に取り組めるよう望遠鏡を提供しました。回折スパイクは望遠鏡内部の反射鏡を支えるアーム構造「スパイダー」によって生じることに着目し、生徒さんは事前に現場での採寸を行ったうえで、2種類のスパイダーを自作し実験に臨みました。
観測実験は星が見える夜間に限定されるため、保護者の理解と協力も得ながら継続的に実施されました。望遠鏡の操作や撮影データの取得といった基本操作を学んだ後は、生徒さん自身がほぼすべての工程を担いました。データ解析からレポート作成、プレゼンテーションに至るまで生徒さんの主導で進められ、中森教授は議論や添削、発表練習を随時サポートしました。
さらに、この研究には、本学理学部と連携するNPO法人「小さな天文学者の会」や、興味を持った大学院生もときおり加わり、多様な視点からの助言が得られる体制が自然と形成されました。
生徒さんにとっては、自分が抱いた興味と自然な疑問を契機として、より深く調べて理解を深めていき、他者と議論を重ねて深めていくという科学研究の王道を経験できたと思います。そして現時点までに分かったこととその限界を認識し、今後の研究展開も考えているようです。サポート側も楽しい機会となりました。
こうして1年間をかけて進められた研究は、「回折スパイクと恒星の関係を探ろう!」というタイトルで、山形県探究型学習課題研究発表会、つくば Science Edge 2025、そして第49回全国高等学校総合文化祭という舞台で発表され、いずれも高い評価を得ることができました。
本学は、このような活動を通して、高校生の知的好奇心と探究心を育む場を提供し、未来を担う若者の成長を支援してまいります。

観測実験の様子(撮影:大野智宙)

取得データ例。自作スパイダーによる回折スパイクが中央の明るい星の像に現れています。

入賞の報告に来てくれました。(撮影:大野智宙)