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2023.02.08
研究ニュース
真核細胞の中には核やミトコンドリア、ゴルジ体などのオルガネラと呼ばれる複雑な膜構造が発達しています。これまでオルガネラは独立に存在すると考えられてきましたが、実は異なるオルガネラ同士が直接結合するオルガネラコンタクトサイトを形成することがわかってきました。
興味深いことに、オルガネラコンタクトサイトを介した異なるオルガネラ間での物質輸送が、オルガネラの正常な機能維持に重要なのです。このオルガネラコンタクトサイトに関しては、まだ教科書にも載っていない生物学における最先端のトピックです。このオルガネラコンタクトサイト研究で世界をリードする研究グループである理学部、田村教授の研究室は、今回、蛍光タンパク質GFPと、近くにいるタンパク質にビオチンという物質を結合させるTurboIDというタンパク質を2つに分割した、Split-GFP、 Split-TurboIDという特殊なタンパク質を組み合わせることで、オルガネラコンタクトサイトの可視化と、オルガネラコンタクトサイトに濃縮しているタンパク質のビオチン化標識を同時に行える研究手法(CsFiND(Complementation Assay Using Fusion of Split-GFP and TurboID)と命名)を開発しました。
今後このCsFiNDを用いた研究をすすめることで、オルガネラコンタクトサイトに関する様々な新しい発見が期待されます。本研究成果は、オルガネラコンタクトサイト研究の専門誌、Contactに掲載されました。論文の詳細はこちらをご参照ください。