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2023.12.06

研究ニュース

理工学研究科大学院修士課程2年生の高梨雄矢君が米国ハワイ島で行われた第6回日米物理学会 合同核物理分科会で核子スピンの起源に関する研究に関して招待講演を行いました。

物質の重要な構成要素の一つである原子核は核子(陽子と中性子)が集まってできています。核子はクォークと呼ばれる素粒子などが結合して成り立っていることが分かっています。一方、核子は自転の性質、スピンをもち、これによって小さな磁石になっています。この性質は医療分野での断層撮影技術(MRI)などに応用されています。ところが、素粒子レベルで核子のスピンの起源については今だに解明されていません。この解明を目指して本学理学部の研究グループ(研究代表者:岩田高広教授)は偏極標的という特別な装置を用いて欧州原子核研究機構(CERN)において実験を行っています。この装置は核子のスピンの方向を揃えることできる標的です。これに大型粒子加速器で生成した高エネルギー粒子を入射し、素粒子反応を起こすことで、反応のスピン依存性を調べ、研究を行っています。 高梨雄矢君はCERNに長期にわたり滞在し、この装置の運用に関わり、特に核子のスピンの揃い具合を示す核子偏極度に関する解析を行い重要な成果を挙げました。今回、彼は米国ハワイ島で行われた第6回日米物理学会 合同核物理分科会(2023年11月26日〜12月1日)の国際学会での招待講演者として選ばれ、英語で発表を行いました。なお、当該分野では修士課程の大学院生が国際学会で招待講演を行うことは珍しいことです。