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2024.04.02

研究ニュース

大学院理工学研究科博士前期課程1年の佐藤智恵理さんが宮城県で行われた令和5年度化学系学協会東北大会で、二官能性レセプターの合成と膜輸送の研究に関してポスター発表を行いました。

微生物が産出する抗生物質の中には、細胞膜のイオン透過を行うことで非平衡状態を崩し、他の微生物の成長阻害等を行う抗生物質が知られています。これまで多くのカチオン輸送に着目した合成抗生物質の報告がなされてきましたが、アニオン輸送に着目した例は多くありません。また、アニオンの輸送がうまく行われないと様々な疾患が引き起こされます。本研究では、抗生物質または薬剤として機能する可能性を持つ化合物の合成を目指しました。これまでに合成されたLiClを捕捉する化合物の陽イオン認識部位を伸長することで、生体内に存在するNa+等の陽イオンと陰イオンを同時に捕捉し、脂質二重膜間でイオンを輸送することができる人工レセプターの設計と合成を行いました。陽イオン認識部位を伸長することで柔軟性が向上し、陰イオンとの会合能が低下しました。一方で、認識点である酸素の増加により陽イオンとの会合能が向上しました。リポソーム膜を用いた膜輸送実験では、化合物が膜を介した陰イオン輸送能を有していることを明らかにしました。この成果を佐藤さんは、2023年9月8日~9月10日に東北大学で行われた、令和5年度化学系学協会東北大会の国際学会でポスター発表を行いました。

※この活動に対し、山形大学校友会 令和5年度事業「大学院理工学研究科博士課程学生研究発表奨励事業」による支援を行っております。