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2024.04.02

研究ニュース

⼤学院理⼯学研究科博⼠前期課程2 年の對⾺琴梨さんが、令和5 年度化学系学協会東北⼤会および⽇本化学会東北⽀部80 周年記念国際会議でエントロピー⽣成速度に基づいた荷電コロイド結晶の構造選択律についてポスター発表を⾏いました。

自然界は物質やエネルギーの流出入を伴う非平衡空間であり、そこで発現する構造は、乱雑さを表すエントロピーの生成速度の観点からその構造を予測することができると考えられています。これを「エントロピー生成最大原理」といいますが、実験的検証例が少なく、非平衡系からの秩序化を記述する熱力学的な定理は依然として確立されていません。本研究では、自然界にみられるオパールと同様の発色機構を持つ荷電コロイド結晶をモデルとして、構成粒子の濃度に依存的な構造遷移の検証と、結晶成長速度に基づいたエントロピー生成速度解析を行いました。その結果、二つの構造が共存した荷電コロイド結晶が観察され、それぞれの結晶成長速度は粒子濃度依存的に変化していることを確認しました。更に、熱力学解析から「エントロピー生成最大原理」に従って構造を選択していることを示唆する結果が得られました。コロイド結晶は優れた光学特性から、光センサーや太陽光電池、光メモリなどへの応用が進められており、本研究成果である結晶構造の予測は、より高品質なコロイド結晶の作製すなわち光学特性の向上に役立ち、より優れた光デバイスの作製が期待されます。以上の研究成果を、對⾺さんは、2023年9月8日(金)から10日(日)に東北大学で行われた「令和5年度化学系学協会東北大会および日本化学会東北支部 80周年記念国際会議」で発表しました。本研究は大阪大学基礎工学研究科・伴貴彦講師との共同研究です。

※この活動に対し、山形大学校友会 令和5年度事業「大学院理工学研究科博士課程学生研究発表奨励事業」による支援を行っております。