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2020.06.22
研究ニュース
2018年に山形大学とトリノ大学は大学間協定を締結し、トリノ大学のLuca Pellegrinoさんと山形大学理工学研究科Jordan研究室の保科一輝さんは交換留学生としてお互いの大学で共同研究を実施しました。Lucaさんは同年12月から山形大学に三か月ほど滞在し、その際に得られたデータをもとに論文を公表しました。
地中海の上部中新統堆積物中に産出する珪藻化石の増加は、従来湧昇流の激化と高塩分化、低層の無酸素化によるものと考えられていました。この論文ではイタリア北西部ピエモンテ盆地の珪藻土のラミナを取り出し走査型電子顕微鏡でそのまま観察を行うことで中新世後期の高分解能な堆積サイクルを明らかにしました。
ピエモンテ盆地の珪藻土中の微化石
左:珪藻(Actinoptychus)
右:珪質鞭毛藻(Dictyocha)
地中海最北端における上部中新統珪藻堆積物:見落とされていた古海洋アーカイブのラミナスケールでの調査
Pellegrino, L., Dela Pierre, F., Jordan, R.W., Abe, K., Mikami, Y., Natalicchio, M., Gennari, R., Lozar, F. & Carnevale, G. (2020). The upper Miocene diatomaceous sediments of the northernmost Mediterranean region: A lamina‐scale investigation of an overlooked palaeoceanographic archive.
Sedimentology, https://doi.org/10.1111/sed.12748 First Published: 17 April 2020