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2020.10.05

お知らせ

岩田高広教授の研究が科研費基盤研究Sに採択されました

理学部(物理学分野)の岩田高広教授の研究が日本学術振興会科学研究費補助金(科研費)の基盤研究Sに採択されました。 科研費は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる「学術研究」を発展させることを目的とする「競争的研究資金」であり、専門家による審査を経て、限られた研究課題に与えられます。基盤研究Sは科研費の中で2番目に助成規模が大きく、原則5年間で5,000万円以上、2億円までの研究費が助成されます。毎年全学術分野から厳選された80課題程度が採択されます。今回は2020年度から4年間でおよそ1億五千万円程度が直接経費として助成されます。なお、山形大学で基盤研究Sに採択されたのは今回が初めてです。

今回採択された研究課題は「大型偏極ターゲットを用いた核子スピンのクォーク構造の解明」というもので、岩田教授がCERNでのCOMPASS国際共同研究として進めている素粒子物理学に関する実験的な研究です。

原子核を構成する陽子や中性子などの粒子(総称して核子)は自転の性質(スピン)を持っています。たとえば陽子スピンが作り出す性質を利用したのが医学診断で利用されるMRI(核磁気断層撮影)です。ところが、スピンが現れる原因が未だに解明されておらず、核子スピンの起源の謎として残されています。本研究課題では山形大学が有する高度な偏極標的の技術を用いてCERN(欧州原子核研究機構、在ジュネーブ)の大型粒子加速器からの高エネルギービームによる散乱実験を行います。これによって核子を構成する素粒子であるクォークのレベルから核子のスピン起源の謎を明らかにします。

なお、本研究には理学部の宮地義之教授、堂下典弘助教が参加されています。

CERNでCOMPASS大型偏極ターゲットを調整する堂下典弘助教

CERNでCOMPASS大型偏極ターゲットを調整する堂下典弘助教

本件は、山形大学学長定例記者会見でも発表されました。記者会見の様子・資料はこちら(山形大学ホームページ)をご覧下さい。