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2020.10.06

研究ニュース

2019年度修士修了の佐藤大介君の論文が、英国王立化学協会の2020 HOT articleに選出されました。

自然界には、シマウマのしま模様、トンボの翅の網目模様など、実に多様性に富んだ「模様」が存在しています。更に、これらの模様の特徴は、自然の中で「勝手に」作られているということです。なぜ、このような模様が勝手にできるのでしょうか?

今から100年以上前に発見されたリーゼガング現象は、「自然の中で勝手に模様ができる謎」に迫ることができると期待される化学反応一つです。しかしながら、最初の発見から100年以上たった今も、その反応自体が非常に複雑なために、リーゼガング現象そのものの全貌解明に至っていません。

その様な中で、山形大学理学部の並河研究室(https://www.nabika-lab.org/)では、「自然の中で勝手に模様ができる謎」に迫るための実験と理論の研究をしています。その中の研究の一環として、佐藤君は在学中にリーゼガング現象の中でも特に反応機構が複雑であるラジカル反応型のリーゼガング現象の模様形成機構を実験から解き明かすことに成功したのです。この発見に対しては、国際シンポジウムでの受賞(写真)や、理工学研究科(理学系)化学部門の修士論文公聴会での優秀賞を受賞するなど、高い評価を得てきました。そして、この修士論文を英語論文としてまとめ“Interplay between two radical species in the formation of periodic patterns during a polymerization reaction”の題目で英国王立化学会の物理化学専門誌Phys. Chem. Chem. Phys誌にて発表したところ、その発見が高く評価され、2020年を代表する論文である2020 HOT articleに選出されました。本発見によりリーゼガング現象の理解が大きく進み、全貌解明へ向けて大きな前進を成し遂げることに成功しました。

佐藤さんの写真