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2020.12.03
研究ニュース
理工学研究科博士前期課程2年の樽川亮佑さんが、10月26・ 27日にオンラインで開催されたUVSORシンポジウム2020にて優秀ポスター発表賞を受賞しました。
樽川さんが研究されたβ相酸化ガリウムはシリコンに代わる半導体として今話題の物質です。本来絶縁体であるこの物質を半導体として動作させるには、電荷(キャリア)の流れを生み出すために不純物を添加(ドーピング)する必要があります。実際には単にドーピングするだけでは不十分で、キャリアを生じさせる不純物(活性サイト)を生じさせて精密に制御するにはどうすればよいか、実用化を目指す際に克服すべき課題として残されていました。樽川さんは、兵庫県立大とノベルクリスタルテクノロジーと協力して、放射光を用いた一光子分光とレーザーを用いた二光子分光の行い、β相酸化ガリウムに不純物をドーピングして熱処理を行うと結晶の欠陥状態が表面と内部で変化することを見出しました。得られた結果は活性サイトを発現させるために必要な条件を探る上で重要な鍵となると期待されます。
講演タイトル
発光分光によって解き明かす β-Ga2O3 結晶の発光帯の固有性
Intrinsic Nature of Photoluminescence Bands in β-Ga2O3 Crystals Revealed by Luminescence Spectroscopy
理工学研究科2年の樽川亮佑さん
UVSORシンポジウム2020、優秀ポスター発表賞