News
News
2021.04.05
研究ニュース
理学部マグマ学・岩石学クラスター及び蔵王樹氷火山総合研究所の重要な研究対象のひとつとして蔵王火山が挙げられます。その蔵王山の約3.5万年前に始まり現在に繋がる最新期には多数の噴火が繰り返されていますが、その中でも最大規模の噴火とその前後の噴火をもたらしたマグマ供給系の解明を行った研究成果が学術誌Bulletin of Volcanologyに掲載されました。最大規模及びその前後の噴火では、何れの場合でも地下5~6kmの深さにマグマ溜りが存在し、そこにより深部から高温マグマが上昇注入して噴火が起こったと推定されましたが、最大規模の噴火の際には入した高温マグマが浅部マグマ溜り内のマグマと注良く混合し、中間マグマが特別に発達したことが明らかになりました。この中間マグマの発達が規模の大きな噴火に繋がったと考えられます。
Evolution of the calc-alkaline magma feeding system of the Komakusadaira pyroclastics in Zao volcano, NE Japan
Mirai Takebe, Masao Ban, Yuki Nishi
Bulletin of Volcanology. Volume 83, Issue 3
蔵王山、最新期の最大規模の噴火による火砕流堆積物とそれをもたらしたマグマ供給系の概念図