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2021.10.07

研究ニュース

憧れの地へ、再び|加々島慎一准教授が第63次南極地域観測隊に参加

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10月7日記者会見で観測隊の計画を説明する山形大学加々島慎一准教授(地質学・岩石学/理学部主担当)

 

山形大学の加々島慎一准教授(地質学・岩石学/理学部主担当)が、第63次南極地域観測隊(夏隊)に参加します。46次観測隊(夏隊)以来、17年ぶり2回目の参加となります。

昭和基地周辺の南極大陸は、約39億年前の太古代初期〜約5億年前の古生代初期にかけての古い大陸地殻が分布しています。土壌や人工物などに邪魔されず、太古代〜古生代の岩石を直接観察し採取できる世界でも非常に希少な地域の一つです。加々島准教授は、エンダビーランドで太古代の火成活動の解明を主目的として、日本の観測隊が未調査の露岩へのフライトを計画しています。南極では、ヘリにて露岩へ移動し、地質隊3名でテント生活をしながら地質調査・岩石試料採取(環境省の許可が必要)を行います。

加々島准教授は「南極は子供の頃からの憧れの地。17年前の1回目の参加は、南極に行くこと自体に高揚していたところもあったが、今回は、世界中の調査地の一つとして、落ち着いて岩石と向き合いたい」と話しました。

第63次南極観測隊は、越冬隊35人、夏隊39人が決定しています。詳細については、国立極地研究所のウェブサイトにて公開されています。

63次隊の活動方針と地質隊の活動内容

(1) 南極観測隊は、昭和基地での観測継続に必要な人員交代と物資輸送が最優先されます。

(2) 63次隊では、重点研究観測をはじめ、62次隊で見送った夏期研究観測を可能な限り実施します。
(3) 地質隊の研究目的:約39億年前の太古代初期〜5億年前の古生代初期にかけての大陸地殻進化についての情報を引き出すために、リョツォ・ホルム湾〜プリンスオラフ海岸〜エンダビーランド露岩域において、野外地質調査と岩石試料採取を実施します。
(4) 地質隊の調査の概要:

① エンダビーランド:これまでに日本の観測隊が未調査の露岩の地質調査および岩石試料採取を実施。原岩構成および火成活動を明らかにし、太古代の堆積岩類の生成環境や火成活動の特徴を考察し形成プロセスを提案。
② プリンスオラフ海岸および③リョツォ・ホルム湾西岸ボツンネーセ地域:地体構造の再区分を目的として、未調査露岩やこれまであまり調査がされていない露岩などで地質調査および岩石資料採取を実施。

*9月20日時点での調査計画であり、10月の南極本部総会での最終決定や現地での状況次第で変更があります。隊全体の行動については、極地研からの公式発表を参照してください。地質隊の行動についても、現時点では「希望」であり「未定」です。行き先等は現地での状況で変わることが十分考えられます。