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2022.04.07

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(特集)科研費取得教員の声-自然の中の「かたち」を織りなす未知なる必然を探る-(研究代表者:並河英紀教授)

山形の冬は、雪が多いです。みなさん、空から降ってきた雪を観察すると一つ一つ違った形になっていることに気付いたことありますか?なぜ、雪には色々な形があるのでしょう。水が上空で冷やされて氷(水の結晶)になったものが雪ですが、ちょっとした温度や湿度などの条件の違いで色々な形の結晶になるのです。H₂Oと書かれるたった一種類の水分子からできているのに、なぜ、色々な形の結晶が自然に作られていくのでしょうか。不思議じゃないですか?

当然、それは単なる「偶然」ではなく、何かしらの「必然」があるわけです。

私は、その必然を探る「自己組織化」という学問について研究をしています。私は化学者ですのでシャーレや試験管の中の化学反応で作られる形や模様の自己組織化を題材に研究をしていますが(下の写真)、そこから得られた知識を、化学だけではなく、生物学、物理学、惑星学、岩石学、さらには社会学へも応用しようとしています。

自己組織化は、自然科学や社会科学の中に見られる空間的あるいは時間的な形をつくる必然を探し出すための重要な考え方です。今は「たまたまそんな形になったんだよね」と偶然として片づけられている形や模様も、自己組織化の研究が進むことで「必然」に置き変わることもきっとあることでしょう。私が取り組んでいる自己組織化の学問は、自然の中の多様な形を織りなす未知なる必然を探究し、その必然の理解にとどまらず、その必然を巧みに操り新しい材料や機能を生み出すことを可能にします。何もなかったところから、ある日突然新しい知識や技術が湧いて出てきます。このワクワク感があるからこそ、研究はやめられません。

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