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2022.11.11

研究ニュース

IXPE衛星による強磁場星(マグネター)の観測結果がScience誌に掲載されました (理学部教授 郡司修一)

2022年11月3日(米国時間)、IXPE衛星による強磁場星(マグネター)4U 0142+61の観測結果がScience誌に掲載されました。

4U 0142+61は、星の大きさが10km程度の中性子でできた天体(中性子星)ですが、地球上で人為的に生成できる磁場の1億倍以上強い磁場を持っていると考えられています。このように非常に強い磁場を持った中性子星をマグネターと呼びます。非常に強い磁場が星の周りに存在すると、電気を持った電子の様な粒子はその磁場に沿った方向にしか動けないという事が起こり、マグネター表面から放出されるX線も強く偏光する事が期待されていました。

今回IXPE衛星が4U 0142+61と呼ばれるマグネターからのX線を観測したところ、確かに偏光したX線が観測されたのですが、エネルギーによってその偏光度や偏光方向が激しく変化し、低エネルギー側と高エネルギー側ではその偏光方向が90度違っているという予想外の現象が発見されました。これは周りに存在する荷電粒子によって、X線が一部散乱されて出てきていると考えれば理解できます。

IXPE衛星はX線の偏光撮像が行える世界初のX線衛星で、米国とイタリアの主導する国際共同プロジェクトであり、日本からも理化学研究所、東京理科大、山形大学、大阪大学、中央大学、名古屋大学、広島大学が参加しています。

詳しくは、こちらおよびこちらをご覧下さい。

また、日本語で書かれた理化学研究所からのプレスリリースの記事もありますので、合わせてご覧下さい。

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