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2022.11.25

研究ニュース

IXPE衛星による活動銀河核Mrk 501の観測結果がNature 誌に掲載されました (理学部教授 郡司修一)

・2022年11月23日(米国時間)、IXPE衛星による活動銀河核Mrk 501の観測結果がNature誌に掲載されました。

通常の銀河に比べ中心領域が非常に活発に活動している銀河が宇宙には存在します。そのような銀河の中心には巨大ブラックホールがあると考えられており、そのような銀河の中心部を活動銀河核と呼びます。活動銀河核には、中心から超高速のジェットが放出されているものがありますが、それをほぼ真正面から観測したものをブレーザーと呼びます。今回IXPEが観測したMrk 501は活動銀河核の中でもブレーザーとして分類されている天体です。このジェットがどのように生成されているのか詳しい事はまだ分かりませんが、磁場が大きく関与しているのは間違いありません。そして磁場を詳しく調べるには電磁波の偏光観測が必要で、特にX線の様な高いエネルギーの電磁波での偏光観測が実現できれば光や電波(エネルギーの低い電磁波)での偏光観測よりも、もっとジェットの根元に近い部分の情報が得られます。今回IXPEはX線での偏光観測をMrk 501に対して行い、約10%偏光している事を明らかにしました。これは今まで光や電波で観測された値より2倍程度大きい値であり、ジェットの根元に近い部分ではより磁場が揃っている事が分かりました。

IXPE衛星はX線の偏光撮像が行える世界初のX線衛星で、米国とイタリアの主導する国際共同プロジェクトであり、日本からも理化学研究所、山形大学、大阪大学、中央大学、名古屋大学、広島大学、東京理科大が参加しています。

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